『トリコロール/青の愛』

キェシロフスキ祭もいよいよ佳境。第7夜目。

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

仏国旗の青は自由を意味する。薄淡く冷たい、青いヴェールに包まれた映像と、至る所に散りばめられた青が、ジュリエット・ビノシュ演じるヒロインの自由への渇望と恐怖、その無意識の葛藤を静かに暗示する。キェシロフスキの映像、演出はますます洗練され、美しくなっているけれど、それが、今までの作品に顕著だった細部の魅力や生々しさを希薄にしてしまっている感も否めない。十字ネックレスや娼婦、寛容と愛などキリスト教的な倫理観が濃厚に感じられる作品でもあった。

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盤質。『愛に関する短いフィルム』とほぼ同じ感じです。音も十分合格点。