『トリコロール/白の愛』

キェシロフスキ祭。第8夜目。

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

仏国旗の白は平等を意味する。お互いに幸せも苦しみも等しく(?)味わった夫婦がたどり着いた愛の結末とは?という寓話めいた人間喜劇。登場人物はみなどこか滑稽味を帯びていて、キェシロフスキらしからぬ軽やかさが全編に漂っている。映像的なこだわりはほとんどなく、脚本の妙味を楽しむ作品になっているところが前作と対照的。意外なところで『青の愛』の一場面と繋がっていたり、瓶を捨てる腰の曲がった老人が『青の愛』に続いて登場したり、『青の愛』と同じ韻を踏むような終わり方をしたり・・・と、この辺りの細かい遊びは『偶然』や『デカローグ』を彷彿させて面白い。それにしてもジュリー・デルピーがほとんど脇役扱いなのには意表を突かれた。

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盤質。『トリコロール/青の愛』とほぼ同じ感じです。音も十分合格点。