『キル・ビル』

監督:クエンティン・タランティーノ

いや〜強烈。参りました。ポップでキッチュ。映像と音楽の一体感。映画が不健康に躍動している。ここまで徹底的に映画と戯れることができてしまうタランティーノはやっぱり愛すべき映画ジャンキーだ。設定はハチャメチャでも、構成は大胆にして緻密。だから、とにかく観ていて気持ちが良い。巨大料亭の空間演出も見応えがある。血しぶきや残酷描写というのは、極端まで行ってしまうと、ふいに可笑しさや爽快さに転化してしまうものらしい。ユマ・サーマンルーシー・リューの日本語も最高。こんなにチャーミングな日本語(しかも、どこか優しい)がアメリカ映画で聞けるなんて。「イ・ク・ヨ」、「キ・ナ」の場面では目頭が熱くなった(笑)。ソニー千葉が出てくるシークエンスの不思議な濃密感にも完全にノックアウト。ただ、アニメ・パートは長くてクドかったかも。Vol.2が楽しみ。