『北京ヴァイオリン』

監督:チェン・カイコー

イーモウの「幸福三部作」同様、巧みな説話と卒のない演出が心憎い、通俗的な面白さに溢れた良質の感動ドラマ。貧しい音楽教師チアンとお水系の女リリ、主役の父子と関わり合いを持つ、この2人の登場人物が面白い。特にリリはかなりの儲け役で、後で監督の奥さんだという事実を知って大いに納得した次第(笑)。チアン先生も途中でお役ゴメンになってしまうには勿体ないくらい良いキャラだった。監督はちょっと出しゃばり過ぎ。書斎にあんなイケてる写真を飾らんでも(爆)。最後のめくるめくような怒涛のカットバックが圧巻。あざといけれど、こういう盛り上げ方って好きだなぁ。