『マルティナは海』

監督:ビガス・ルナ

ビガス・ルナはあっけらかんと物語を破綻させる。いびつな三角関係によって綴られる女性の母性とセックスの寓話。はなから観る者の共感や感情移入など拒んでいるかのような強引なストーリー展開をよそ目に、これでもかと映し出されるレオノール・ワトリングの肢体。特に乳房の存在感は圧倒的で、この口唇期的な退行願望を感じさせる執拗なまでのオッパイへのこだわりこそビガス・ルナのアイデンティティなのかもしれない。たぶん男としては首を捻りながらも頷かざるをえない作品なのだ(笑)。それにしても、レオノール・ワトリングの美しさ!この輝きっぷりは尋常じゃない。完璧。