『コンドル』

監督:ハワード・ホークス

キレのある語り口と味わい深いキャラクター造形が光る男達の友情とロマンを描いたドラマ。脇を固めるリチャード・バーセルメスとトーマス・ミッチェルがとにかく素晴らしい。ただ、主役のケーリー・グラントは作品の雰囲気に合っていなかったかも。容姿がスマートすぎて、どうしても冒険的な仕事に命を賭ける男には見えないんです。コーヒーポッドを絡めたジーン・アーサーとのコミカルなやり取りや、リタ・ヘイワースとのキスシーンで見せるお茶目な表情など、女優相手だと俄然輝きを増すところなんかはまさにグラントの面目躍如って感じなんですけどね(笑)。特撮を駆使した飛行シークエンスは今観るとさすがに少し古臭いのですが、ダイナミックでスピード感溢れるモンタージュがそれを補って余りある臨場感を生み出しています。結末が何とも粋で爽快、これぞホークス!