『スパニッシュ・アパートメント』 ■■□

v-erice2005-03-18


監督:セドリック・クラピッシュ

"一つの欧州"をカジュアルな群像劇のスタイルで高らかに謳い上げた青春映画の名手クラピッシュの快作。何と言ってもロマン・デュリスが絶品。『青春シンドローム』で見せた女殺しの笑顔は本作でも健在で、その眼差しの色気は『存在の耐えられない軽さ』のダニエル・デイ・ルイスを彷彿させます。他の男優は存在感が今ひとつなんですが、女優陣は全員が素晴らしいですね。特に印象的だったのがセシル・ド・フランス。雰囲気が『バウンド』のジーナ・ガーションに似ていると思ったらやっぱりレズビアンなのでした(^^; 彼女とデュリスがお互いの彼女について悩みを語り合うシーンはケッサク。この二人のツーショットはどれも良いですね。ちなみにアメリカ男も登場するのですが、当然のごとく酷いキャラ造形(笑)。イギリス女と肉体だけの関係になり、狂言とはいえ、その弟とまで・・・いや〜えげつないジョークです。やや長尺に感じましたが、一見の価値ある良作でした。

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盤質。S/Nがイマイチですが解像度と発色は良いです。それよりも特典一切無しというのが寂しいですね。これだけ多彩な俳優陣なのですから、スタッフ&キャスト情報は必須でしょう。これと予告編は最低限収録して欲しいものです。吹替えもありますが、オリジナル音声での鑑賞がオススメ。