『花嫁の父』 ■■■

監督:ヴィンセント・ミネリ

シンプルな語り口、ユーモアとペーソス、効率的かつ効果的な省略、とにかく巧い!スペンサー・トレイシーの演技も絶品の味わい。『彼岸花』の佐分利信とは真逆の愛すべきオヤジっぷりです。また母親役のジョーン・ベネットが良いんですよね。花嫁姿のリズ・テイラーは眩いほどの輝きを放っていますが、それ以上にドレスを身にまといゆっくりと階段を降りてくるジョーン・ベネットの美しさが印象的でした。父親が見る悪夢の表現主義的なシュールな映像演出は怖いというより笑えます。