『悪魔の発明』 ■■■

監督:カレル・ゼマン

科学の功罪がテーマの幻想寓話。淡々とクールな映像演出とモノクロと精緻な背景美術が醸し出す重厚な雰囲気に、ささやかなロマンスとユーモアという軽やかさが違和感なく融合してしまうゼマン的混交の世界にはやっぱり惹かれてしまう。ユニークなデザインの水中自転車、幻灯機、潜水艇なども良い。それと効果音が実に面白かった。ジャック・タチの映画の音みたいにヘンテコなのだ。二匹の魚が繋がって、残った尾びれが美しい蝶へと変化するメタモルフォーセスも印象的。