『アンダルシアの犬』 ■■■

監督:ルイス・ブニュエル

戦闘的なスキャンダリスト・ブニュエルの面目躍如たる猛毒性の奇怪で卑猥な映像遊び。ブニュエルは冒頭で女性の目玉をカミソリで切る理髪師をクールに演じ、共犯者のサルヴァドール・ダリは修道士に扮してピアノと腐ったロバの死体とともにブザマに引っ張られる。路上に落ちている人間の手首とか、女装した男が持つ謎の木箱などを観ていてリンチの映画がチラチラと頭に浮かんだ。

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盤質。画質は中程度。英語字幕が強制表示されます(と言っても字幕部分はほんの数箇所)。本編は1960年に還暦を迎えたブニュエル自身の監修によって音楽を加えたサウンド版です。リージョンALL。特典は息子フアン・ルイスブニュエルへのインタビュー映像を中心に構成された「A Slice of Bunuel」と「Epilogue:Dali&Bunuel」、シュールレアリスム研究者によるオーディオ・コメンタリーが収録されています。主人公が持つ謎の箱の縞模様が印刷されたピクチャーディスクもイイ感じ。