『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』

監督:富野由悠季

劇場で観た時はもう少し尺が長くても、と思ったのですが、こうして改めて観直すとむしろ丁度良い感じでしたね。説明不足のせいで明らかに破綻している箇所があることも確かなのですが、物語展開のテンポとリズムを重視した構成はこれはこれで気持ちが良いんです。画面サイズの影響もあってか旧画と新画の違和感や粒子ノイズ加工もそれほど気にはなりませんでした。まあ顔だけでなく性格も前半と後半で別人のようになってしまうカミーユはさすがにどうかと思うけれど(ブライトの講演会に行ったことがあったり、「あの伝説の赤い彗星のシャアなんだ」や「あの人は一年戦争のシャアのライバル、アムロ・レイだ」など単なるミーハーな軍人オタク少年になっているのが妙に可笑しい)。それにしても戦闘シーンの演出にはシビれますね。ロボット物を手掛ける若手演出家は本作を最低100回は観るべきでしょう。ただし富野節は特殊すぎて模倣の対象にはなり得ませんが(笑)。TV版ゼータや『逆襲のシャア』でもお馴染み三枝成彰氏の音楽も素晴らしいですねぇ。