『パーフェクト・ワールド』 ■■■

監督:クリント・イーストウッド

擬似親子的な関係を描いたロードムービーでその意味では『センチメンタル・アドベンチャー』のセルフ・リメイクとも言えるのですが、ケネディ暗殺直前のテキサスという時代設定や、暗く深刻なテーマを内包した苦い余韻が残る『パーフェクト・ワールド』はそのアイロニカルな題名が示すように一筋縄ではいかない複雑さを持った作品になっています。ケビン・コスナーが素晴らしかったですね。実に自然体。本作のイーストウッドは脇役に徹していますが最後の拡声器を使った些細なギャグとたった一発の拳でしっかり存在感をアピールしてしまうあたりはさすがと言った感じでした。それと忘れちゃいけないのがローラ・ダーン。やっぱ良いなぁ。あのお口ポカーン顔が何とも(笑)。