『ハイデイ』 ■■■

v-erice2005-11-28


監督:アラン・ドワン

1937年製作の「アルプスの少女ハイジ」。簡潔な物語構成、ドワンの鮮やかな演出、シャーリー・テンプルのキュートな魅力、ハリウッド黄金期の余裕を感じさせるわずか85分の見事な小品です。セット美術も良くてとりわけ書き割り背景の美しさが印象に残ります。クララの屋敷の窓から大道芸人の猿が進入して大混乱を巻き起こすシークエンスの過剰な喜劇アクションなんて素晴らしかったですね。短いですがミュージカル場面もあります。最後はお爺さんとハイジが馬ゾリでフランクフルトからの脱出を図るという原作を大胆に脚色したスピーディーでスリリングな活劇描写もあったりとドラマで魅せるのではなくあくまでも娯楽に徹したファミリー映画という感じに仕上がっています。ルイス・シルヴァースの軽妙な音楽、アーサー・C・ミラーの流麗なキャメラワークも見所。日本未公開というのが意外です。37年当時には既に「ハイジ」の翻訳本は出ていた筈なんですけどねぇ。

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盤質。古いマスター素材らしく画質はあまり良くありません。片面二層収録でオリジナルの白黒版とカラライゼーション版が選べます。音声は英語2.0chと英語1.0chの2種類。英語字幕あり。リージョン1。特典は予告編とハイジの木靴が付いた小さなチャーム・ブレスレットが封入されています。