『燃える平原児』 ■■■

監督:ドン・シーゲル

エルヴィス主演ということで愉しいミュージカル西部劇なのかと思いきやさにあらず(エルヴィスが歌うシーンは冒頭だけ)。白人とインディアンの抗争を描いた恐ろしく陰惨でやるせない物語だった。ナナリー・ジョンソンの脚本は人種差別問題という社会派的な視線を強調しているが、何もそんな重いテーマをエルヴィス映画でやらなくてもというのが正直なところではある。後で当初の予定ではマーロン・ブランドが主役を演じる筈だったことを知ってなるほどと大いに合点がいった次第。