『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』 ■■■□

監督:原恵一

原恵一が手掛けた最初のクレしん映画。一作目から絶妙なバランス感覚が発揮されている。キャラ造形が秀逸だし、ギャグも多種多様で面白い(原恵一の同時代人にしか分からないようなネタあり)。映画パロディでは『七人の侍』の主人公たちが実名で登場するシーン(さすが東宝配給)や、藤田進の「裏切り御免!」(『隠し砦の三悪人』)を彷彿させるシーンなど黒澤明へのオマージュが見られる。個人的には郷里大輔がオカマを演じているというだけで観る価値のある映画ではあった(いや何せ郷里大輔と言えば『Z』のバスク・オムのイメージが真っ先に思い浮かぶので笑)。最後のツインタワー頂上決戦の演出も素晴らしい。エンディング・テーマの「ひまわりの家」は名曲だ。