『俺に賭けた奴ら』 ■■■

監督:鈴木清順

ボクシング賭博もの。弾むような展開のリズム感とモダンな美術と原色を強調した色彩設計など清順映画らしい意匠の数々で、このジャンルにありがちな陰気さや泥臭さはまったくない。ほぼ全ての登場キャラクターが一同に会し、様々な思惑が交錯する中で行われる最後の試合のシークエンスは見応え十分。俳優では川地民夫が演じるボクサーくずれの片足引きずるニヒルなヤクザが良かった(いよっ二丁拳銃!)。高品格*1も名バイプレイヤーっぷりを遺憾なく発揮している。

*1:私にとって高品格と言えば『麻雀放浪記』の出目徳なのである