『ゲド戦記』 ■■

監督:宮崎吾朗

やはり私小説じみた展開が鬱陶しい。父親殺しと「影」の描き方もいただけない。試写の後に宮崎駿が言った「大人になっていない」という言葉は自分語りをしすぎていることへの批判だったのではないだろうか。『テルーの唄』のシーンの演出は、歌の"長さ"とアレンが涙を流すカットの呼吸が独特で良い。エンディング・テーマ『時の歌』も名曲だ(手嶌葵、歌唱力は素晴らしいんだけどねえ^^;)。それと個人的にはテルーの顔のヤケドの描写をもっとグロテスクにして欲しかった*1。そうすれば『テルーの唄』のシーンはより胸を打つシーンになっていたと思う。

*1:原作では顔の半分がケロイド化して目がつぶれ、手が溶けて鉤爪のようになり、さらには炎によって喉も潰れていて、歌を歌う事も出来ないらしい