深町眞理子訳『アンネの日記 完全版』読了 ○

10代半ばの少女の濃密な心の遍歴に感動した。特にペーターを意識しだす中盤以降が実にスリリングで面白い。冷静に同居人を分析し、自己を省察していく終盤部分も圧巻だった。発見から収容所へ送られ、チフスで死亡するまでのわずか半年の間に彼女はどんなことを感じ、思い、考えていたのだろうか。異質なものに対して不寛容な人間にだけはなるまい、と改めて思った。

アンネの日記―完全版

アンネの日記―完全版