『非行少女ヨーコ』 ■■

監督：降旗康男

降旗康男の監督昇格一作目。ヌーヴェルヴァーグ以降のフランス映画の影響を感じさせる画面造型（東映らしからぬ）の青春映画だが、どこか野暮ったく感じられ、後半のどんどん湿っぽくなっていく展開に、やはり降旗康男は最初から降旗康男だったんだなあ、と妙に得心したのだった。主演の緑魔子はそれほど魅力的とは思えず、オネエ言葉をしゃべる石橋蓮司（若い！中村獅童にソックリだ）と新人時代の大原麗子、あと食堂のマスターを演じる大阪志郎が印象に残る。寺山修司がカメオ出演していて、クラブで大騒ぎする若者の狂態に冷めた口調で「こいつら、こんなことするくらいなら、朝早く起きてラジオ体操でも踊ってりゃ良いんだよ」と呟く。

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