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「没後20年 開高健特集」
ゲストは角田光代、鬼海弘雄、佐野眞一。開高健は自分にとって心の師匠とも言うべき存在。この人の作品、言葉に出会えたことは大袈裟でなく人生の僥倖だと思っている。だから「開高さんの本を読まなければ、人生の持ってる喜びの何分の一かを損しますよ」という鬼海氏の言葉には深く同意せざるを得ないのだ。佐野眞一の印象に残った言葉をいくつか引用しておこう。
「開高健の文体は、ブドウジュースではなく、必ず酒になっている。発酵させている。だから今なお彼の作品は生命力を維持している」
「非常に抽象度の高い言葉を使いながら、その抽象性が軽くならず重力を持っている。重力を持った抽象性が、開高健の文体の大きな特徴である」
「良い本というのは、ページを閉じたとき、目を上げて世界を見る、そのとき世界が一ミリ変わっているかどうかなのだ。開高健は確実に一ミリ変わる作家である」
「輝ける闇」 新潮社 発売中 540円(税込) 角田光代の推薦本。 |
「声の狩人」 光文社 発売中 500円(税込) 鬼海弘雄の推薦本。 |
「人とその世界」 筑摩書房 発売中 924円(税込) 佐野眞一の推薦本。 |
「珠玉」 文藝春秋 発売中 460円(税込) 藤沢周の推薦本。 |