『サマーウォーズ』 ■■□

監督:細田守

ほとんど『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』のセルフリメイクと言っても良い内容だったが、どうも今一つノリきれなかった。『時かけ』のインパクトが強烈すぎて、過度に期待しすぎたのがいけなかったのだろうか。しかし、それにしたってクライマックスの花札対決はあまりにも詰まらなすぎた(花札のルールとか以前にただ単純に詰まらないのである)。いくらなんでももう少しヒネリというかケレンを見せて欲しかったなあ。カタルシスをもたらす「燃え」が全然足りてないのだ。最後の古典的でチャーミングなキスシーンを見て、自分は「ネットが現実社会を脅かす」というテーマなど実はどうでもよくて、旧家の大家族(とそこに放り込まれた高校生男子)が織り成す一夏の群像劇(+ジュブナイル)が単に見たかっただけなのだなあとしみじみ思ったのだった。だから縁側に座る健二と夏希が手を握るシークエンスの繊細な演出が本作最大の見所なのである。

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