『ツアー・オペレーター 知られざるツール・ド・フランス』 ■■■

監督:ジャン・クリストフ・ロゼ

2000年のツール・ド・フランスの裏側を追ったドキュメンタリー。一つのチームに密着し、監督寄りの視点で編集されている。『茄子 アンダルシアの夏』はこの映画をかなり参考にしているのではないかと思えるようなシーンがいくつもあった。見所はアルプス越えだろうか。このとてつもなくタフなコースで選手がどんどん消耗していく。その様は見ているこちらもしんどくなるくらいだ。時折挿入される毎年キャンピングカーでツールを追いかける年金生活者の老人が良い。自前のウォータボトルを走る抜ける選手に渡すシーンが印象的だ。ボトルが選手の手に渡る瞬間、老人の身体に伝わる激しい衝撃。ロードレースのスピード感の凄まじさを実感できる。