『ぼくのエリ、200歳の少女』 ■■■

監督:トーマス・アルフレッドソン

人間と吸血鬼のボーイ・ミーツ・ガールを少年少女で描いた点が良い。画面造型の雰囲気や演出の呼吸が黒沢清の映画を彷彿とさせる。驚いたのは物語の核心に触れるシーンにモザイク処理がされていたこと。猥褻性云々とかいう以前の問題。映倫の良識を本気で疑わざるを得ない。『ブギー・ナイツ』(ポール・トーマス・アンダーソン)のラストシーンのモザイクに匹敵する暴挙だろう。作品の価値をないがしろにする最低の行為だ。ついでに邦題も酷い(むしろ「200歳の少女」と付けてしまえるセンスが凄い)。ハリウッドのリメイク版『Let Me In』も興味あり。

ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]

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