『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ』 ■■■

監督:アシフ・カパディア

F1ドライバー・セナの軌跡をレースシーンではなくレースの舞台裏映像メインで追ったドキュメンタリー。マクラーレン時代のプロストとの確執、日本GPでの二度の疑惑のクラッシュについてのくだり(当時のFIA会長ジャン=マリー・バレストルの強権っぷり!)は色々と興味深かったし、プライベート映像の数々も貴重だ。そして運命のサンマリノGP。セナがイモラのタンブレロ・コーナーで事故を起こす直前のオンボードカメラの映像には息が詰まりそうになった。いま改めて見直すと車体そのものはそんなに破損していなかったことが分かる。衝撃度で言えば、前々日のバリチェロのクラッシュの方が遥かにすごい。しかしバリチェロは鼻骨骨折で済み、セナは帰らぬ人となってしまった。衝突の衝撃で破損したサスペンションの一部がセナのヘルメットを突き破り頭部に致命傷を負わせたのだという。もしもその破片が数センチずれていたら・・・。あと、セナ死亡のニュースを涙ながらに伝える川井、今宮、三宅アナの現地映像が出てきたのにはちょっと驚いた。これ当時見ていた覚えがうっすらある。特典のコメンタリーではこのシーンだけまったくの無音だったので、日本公開版のみ特別に挿入されたシーンなのかもしれない。