『東京の女』

監督:小津安二郎

姉の秘密を知ってしまった弟が絶望から自殺してしまう救いのない短編。全編を覆っている暗いトーンの映像が、後年のやはり"東京"という言葉が題に入った『東京暮色』と重なる。『東京物語』といい"東京"がつく作品には"人間の死"というものが一貫して描かれている。それにしても田中絹代が若い!ってそれもそのはず、調べてみると撮影当時は24歳。幼顔で、十代後半ぐらいに見える。あの大女優にもこんな時代があったのか、と思えるほど演技が拙かったのには感動(笑)。