2003-12-19から1日間の記事一覧

 『浮草』

監督:小津安二郎「彩」と「艶」の映画。色彩と女優の"粋"が堪能でき、中村鴈次郎の"芸"に嘆息させられる映画。大映で撮っているからか、所々に小津調らしからぬ演出(俯瞰映像、黒澤ばりの豪雨、過剰なキスシーンと暴力シーン)があって、それが他の小津作…

 『東京の女』

監督:小津安二郎姉の秘密を知ってしまった弟が絶望から自殺してしまう救いのない短編。全編を覆っている暗いトーンの映像が、後年のやはり"東京"という言葉が題に入った『東京暮色』と重なる。『東京物語』といい"東京"がつく作品には"人間の死"というもの…