『殺人に関する短いフィルム』

キェシロフスキ祭、第5夜目。

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

本作で描かれる殺人と死刑、この二つの死を見詰めるシークエンスはありとあらゆる感情を麻痺させる。それは虚実の判別ができなくなって、朦朧となるくらいに衝撃的な映像である。こんなに厳しい"死の演出"は観たことがない。キェシロフシキの視線はあまりにも誠実でかつ容赦がない。

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盤質。元の映像が特殊な色合いのフィルターを使っていたり、粒子の粗い映像ということもあって、高画質とは言えません。ただ、この作品に限ってはそれがプラスになっています。綺麗な映像だとかえって雰囲気を損ねてしまう類の作品なんですね(^^; だから音もノイジーなのが良いんです。