『野性の葦』

監督:アンドレ・テシネ

政治闘争という社会状況が背景にあるせいか、雰囲気は暗めで、メランコリックな青春映画になっている。同性愛、政治観の相違などによって生じる複雑な心の交錯が、微妙な友情関係の中で展開していく様は、なかなかスリリングで面白かった。最後の川遊びのシークエンスが美しい。エロディ・ブシェーズの眉毛と胸。バーバーの「弦楽のためのアダージョ」が良い味付けになっている。