『ヒズ・ガール・フライデー』

監督:ハワード・ホークス

この映画には湿気なんてない。あるのは徹底的にドライな笑いと圧倒的なスピード感だ。ケイリー・グラントロザリンド・ラッセルの絶妙に息の合ったリズムとアクションによって繰り広げられる凄まじい言葉の応酬、こんなに洗練された痴話喧嘩があるだろうか?(笑)。ユーモアとウィットの波状攻撃には笑う暇さえない。あっけらかんと残酷なキャラ造形、予測不可能な展開、その過激さ、人を食ったようなハッピーエンド。う〜む、スクリューボール・コメディ恐るべし。でも、こういう作品は字幕なしで鑑賞してこそ初めてその面白さが十分に堪能できる類の作品なんだろうなぁ。悔しい。