『攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG 09』

今回は1本目が素子、2本目がバトー主導の話。前者が『グロリア』を、後者が『ベルリン 天使の詩』をイメージしたような映画マニアのツボを刺激するストーリー性の高い好篇に仕上がっています。1本目は素子の"女性性と母性"がテーマ。「こんな上モノ初めて見たよ!」と義体にベタボレの少年を相手にキワドイ会話と描写が展開する少佐ファン垂涎のエピソード(笑)。納谷悟郎演じるマフィアの長老が実に渋かったですね。2本目はヴェンダース・ファンとしてはたまらないビジュアルです。映画の中の天使と同じように、黄金の女神ヴィクトリア像に光学迷彩で姿を消したバトーが佇むカットが良いです(ちゃんと犬にも吠えられるw)。しかし、バトーは天使にはなれなかった。ラストが何とも切ないですね。人間臭い感情を捨てきれない男バトー。かたや全く隙のない素子。車椅子の少女の声をあてているのが林原めぐみだったことにエンドクレジットで気が付きました。