『キー・ラーゴ』 ■■■
監督:ジョン・ヒューストン
ほとんど『化石の森』の焼き直し。この作品で主役のレスリー・ハワードを完全に食ってしまっていたボガートが、『キー・ラーゴ』で主人公になると、やはりギャング役のエドワード・G・ロビンソンに食われてしまうのだから面白い。とにかく脇役陣が豪華かつ個性的で、ヒロインのローレン・バコールもクレア・トレヴァーの熱演の前に霞んでしまってるし、車椅子に鎮座するライオネル・バリモアの存在感も強烈。ヘンな笑い方をするチンピラ役の俳優もなかなか味がある。ボギー&バコールの映画として見ると少々物足りないかもしれないが、室内群像劇としては文句なしの出来で、カール・フロイントのキャメラも美しかった(ボギーが密談するシーンの逆光がシビれる。ラストの窓から溢れ込む光の過剰さも良い)。