『深呼吸の必要』 ■■■

監督:篠原哲雄

温かく爽やかな人間ドラマ。柴主高秀*1のロングショットにちょっと頼りすぎな感があるものの、演出に品があり脚本もすっきりまとまっていて好感が持てる。ヒロイン役の香里奈は容姿、スタイルともに抜群だけれど、存在感に多彩なニュアンスがないというかどこか平板な印象(これは香里奈だけでなく他の若い共演者にも同じことが言える)。おじいとおばあの深みのある豊かな、これぞ映画的な役者!と言いたくなるような存在感の強さとは対照的だった。若手の中では極端に無口な少女を演じる長澤まさみが一番良かったかもしれない。やはり彼女は声でかなり損をしている女優だとこの作品を見てつくづく思った。

*1:撮影監督