『唄祭り 佐太郎三度笠』 ■■■

監督：中川信夫

内容は典型的なプログラム・ピクチャーなのだが、さすがに50年代の中川信夫だけあって、画面が充実している。ほぼ全編ロケーションによる美しいロングショットや、冒頭とラストの魅惑的なキャメラの横移動、切り落とされたヤクザの親分の腕がピクピク動くショットもこの手の時代劇としては珍しく、異様な印象を受けた。画像は序盤の超ロングショットで映し出される滝の上での決闘シーン。まるでアンソニー・マンの西部劇のようだ！