NHK-BS『週刊・手塚治虫 創刊第2号』

ゲストは富野由悠季。さすがは御大、全編が見所聴き所だった(笑) 以下印象に残った部分の引用。


「絵だけを見るだけでは済まない"物語"を手塚先生は描いた」
「世界観を物語るのを、キャラクターの芝居(劇構成)でやっていることの凄まじさ」
「漫画というお手軽な媒体だから何でも描けるんだ、と思えたことで爆発したんじゃないか」
「これだけ描けたというのは、手塚先生が漫画を舐めていたからだと思う、絶対に」
「舐めていたから、むしろ想ったことを全部吐き出すことができた。漫画という媒体の凄さ」
(『来るべき世界』を手にしながら)「こんな漫画屋の酷い絵でですよ」
「僕が初めて女性というものを知ったのはこのコマなんです(ポポーニャ登場の回)」
「マスクを取ったら金髪の令嬢が現れて・・・(パツキン好きはここから来ていたのだ!)」
(『来るべき世界』の初版本に大興奮。30万円という値段を聞いて)
「僕これ30万円でも買います」
「なんでかって、手塚先生のペン遣いが見えるんです、ペンの走りが」
(そして、しばし初版本を眺めていると突如豪快に笑い出し)
「このポポーニャじゃなきゃ駄目なんです。こっち(改訂版)じゃ駄目だ。。。やだぁ」
「こっち(初版本)のポポーニャは色気あるでしょ!って言いたいんだけど駄目?うはは」
(司会者の二人は同調するも明らかに引いてる感あり)
「オタクという人種は大っ嫌いなんだけど、今つくづく自分はオタクだと思った〜あはは」
「作劇、演出、演技論、などのハウツーが(『来るべき世界』の中に)全て入っている」


メトロポリス」のモーション漫画を挟んだ後に語られた虫プロ時代のエピソードも実に面白かった。NHKでも絶好調だった富野節。ますますこの人が好きになった。新作が待ち遠しい。