『東京ゴッドファーザーズ』

監督:今敏

堂々たる浪花節。正攻法の人間ドラマで題材としてはかなり地味だけれど、個性的な人物造形、細かいディテールの背景(とんでもない描き込み量!)、あり得ない偶然の連続、といった過剰な味付けによって見事なエンターテインメントに仕上がっている。いま邦画で、この手の庶民派ファンタジーをさらっと嫌味なく描けるのは実写ではなくアニメなんだと思う。声優の演技も素晴らしい。