『スチーム・ボーイ』 ■■□

監督:大友克洋

核のアレゴリーとしての蒸気エネルギー、科学への警鐘と希望。背景や美術の描き込みは本当に素晴らしいのですが、正直映像だけが突出している感は否めませんでした。主人公とヒロインの存在感が今ひとつ希薄ですし、物語展開もぐいぐい引き込むような力強さはありません。冒険活劇としてはちょっと(かなり?)物足りなかったです。「スチーム城」の禍々しい造形や、蒸気噴出のダイナミックな描写、大掛かりな舞台装置の破壊と崩壊など、大友印のスペクタクルは健在でしたね。