『人間は何を食べてきたか 第4巻』

前巻に続いて「アジア・豊かなる食の世界(1)」。今回は「茶」と「醤油」。お茶発祥の地とされる中国・雲南省少数民族の村(お茶は特産品なので村人は特別な日以外は喫茶をしない)。そこには樹齢800年のお茶の樹が、慎ましくも堂々と存在しています。タイの食茶の習慣や、ウイグル自治区の団茶など、日本とは全く異なるお茶の文化が紹介されていて非常に興味深かったです。いずれのお茶も塩分が高いのが特徴で、日々の労働の過酷さが窺い知れます。醤油は、日本でもお馴染みの穀醤ではなく、東南アジアが主流の魚から作る魚醤にスポットを当てています。魚醤発祥の地とされるタイ東北部の村。塩害のために稲作もままならず、魚の漁獲量も限られている、という厳しい環境だったからこそ生まれた魚醤の技術、人間のなんと逞しく、したたかな適応能力。