2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 『輝ける青春』 ■■■□

監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ最も評価すべきは脚本(俳優たちも同じくらい素晴らしいが)だと思う。6時間という尺に耐えうるだけの力強さが本作の物語にはあった。TV映画として製作されているだけに"映画の旨味"は薄いのだけれど、この作品は大河ロ…

水俣病公式確認50年を機に、これまで製作されてきた水俣病に関するドキュメンタリー全26作品をDVD化するという記事が朝日新聞5/15の夕刊に載っていました。佐藤真の『阿賀に生きる』や土本典明の『水俣-患者さんとその世界-』『不知火海』が遂にDVD化されま…

 『キートンの北極無宿』 ■■■

監督:バスター・キートン&エディー・クライン何でも本作は当時話題になった映画のパロディ(『極北の怪異』やグリフィスやウィリアム・S・ハートの西部劇など)がウリになっているらしい。なるほど確かにキートン映画にしてはやけにドラマティックな話だし…

 『お引越し』 ■■■■■

監督:相米慎二相米慎二の最高傑作か。日本で撮られた最も傑出した児童映画の一本だと思う。離婚家族を描いたホームドラマは沢山あるし、少女の自立というテーマもありきたりだが、特異な作家性が炸裂する画面造形の力強さ(冷徹な眼差し、長廻しによる緩や…

 『キートンの鍛冶屋』 ■■■

監督:バスター・キートン&マルコム・セント・クレア目を瞠るような超絶アクションはないが、ユニークな小道具や悪意なき破壊のギャグはキートンならではだし、唐突にロマンスが成就してしまうデタラメでナンセンスな展開も可笑しい。オチも秀逸。

 『翔んだカップル』 ■■■

監督:相米慎二題名から明るい青春学園モノを想像したが、実際には妙に湿度が高くすっきりとしていない、つまり実に相米慎二らしい凡庸ならざる思春期ドラマだった。脇の尾美としのりと石原真理子が印象的。

 新たに増えた銀盤

『アスファルト・ジャングル』(ようやく廉価版が出ました。)

 『キートン半殺し』 ■■□

監督:バスター・キートン&エディー・クラインホームドラマにしてはかなり過激だが、キートン映画にしてはちょっと地味かも。

 『ラブホテル』 ■■■

監督:相米慎二ポルノでフィルムノワールとは参りました。例によって長廻しが多用されているが、キャメラワークよりも構図や照明のケレンが目に付く。寺田農が良い。ラストにはシビれた。望遠レンズのマジック。

 『白人酋長』 ■■■

監督:バスター・キートン&エディー・クライン鮮やかなムササビ・ジャンプを決めるキートン。他にも高さを強調したアクロバティック演技満載。

 『ションベン・ライダー』 ■■■□

監督:相米慎二もうアヴァンタイトルから「うはっ♪」って感じ。なにせ録音マイクの影がはっきり映っているのにキャメラはお構いなしに廻り続けるのだ。貯木場シーンの延々と横移動していく長廻し、イキイキと破綻しているストーリー、終盤の常軌を逸した展開…

 『キートンの即席百人芸』 ■■□

監督:バスター・キートン&エディー・クライントリック撮影によって一人百役をこなすキートン。変装オンパレードや猿になってのドタバタ、水槽から水が溢れ出す場面など見所は多い。ヴォードヴィルへのオマージュを感じさせる作品である。

 『旋風の中に馬を進めろ』 ■■■□

監督:モンテ・ヘルマン『銃撃』のストレンジな味わいも良いが、本作の「間違われた男たち」によるスリリングな逃走劇もたまらなく良い。硬質でクールな脚本と演出にシビれた。グレゴリー・サンダーのキャメラも美しい。

 『コックと泥棒、その妻と愛人』 ■■

監督:ピーター・グリーナウェイ悪趣味もここまでくると笑うしかないが、けっきょくグリーナウェイは理性的にエログロナンセンスをやっているだけのような気がする。要するに狂気の映像じゃないのでちっともワクワクしないのだ。

 新たに増えた銀盤。

『テキサスの4人』

 『Vertical Features Remake』 ■□

監督:ピーター・グリーナウェイテーマが今ひとつ不明瞭。アヴァンギャルドも頭でっかちになりすぎると単に退屈なだけかも。

 『数に溺れて』 ■■

監督:ピーター・グリーナウェイ黒いお伽噺。絵画好きで数字フェチ・グリーナウェイの趣味全開という感じだが、どうも面白くない。

 GW

GWはスポーツ、友人宅での呑み会、河原でバーベキュー、なんやかんやで映画は一本も観ることができませんでした。一週間近く映画を観ないと生理的な飢餓感で情緒不安定になってきます。

今月のBSシネマはGW明けから始まる「サンダンス・NHK国際映像作家賞特集」に注目。さらに『荒野の貴婦人』『フリスコ・キッド』『シマロン』『縛り首の木』『左きゝの拳銃』『無法の拳銃』など未DVD化の傑作・西部劇が目白押し!ロバート・アルドリッチの…

 『逃亡地帯』 ■■■

監督:アーサー・ペン60年代混沌のアメリカ社会の縮図。テロリズム、人種差別、ブルジョワに対して痛烈な批判を浴びせかける反骨の女闘士・リリアン・ヘルマンのパワフルな脚本、豪華キャストによる熱の入った競演が見物。終盤の展開はいささかやりすぎの感…