2005-01-01から1年間の記事一覧

 新たに増えた銀盤

『ジャン=リュック・ゴダール DVD-BOX』

 『ランド・オブ・プレンティ』 ■■■□

シネカノン有楽町にて。監督:ヴィム・ヴェンダースビックカメラが入ったビルの7Fにあるなかなか良い雰囲気の映画館でしたが、上映前の予告が15分間もあったのにはちょっと閉口しましたねぇ(その中の2本の韓国映画の邦題が『非日常的な彼女』と『B型の彼氏…

 『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』 ■■

監督:新藤兼人『ある映画監督―溝口健二と日本映画』を先に読んでいたので新鮮味がなかったですし、ほぼインタビューだけの映像が150分も続く構成は正直しんどかったです。ただ最後の田中絹代への尋問まがいの無粋な質問を長廻しで捉えたシーンはスリリング…

 『雨月物語』 ■■■■

監督:溝口健二円環の怪奇幻想絵巻。此岸と彼岸を繋ぐ宮川一夫のキャメラワーク。クレーンの俯瞰ショットや長廻しのトランジションショット、画面を緩やかに横移動させながら近似イメージのディゾルブによってショットを繋いでいく流麗な演出には思わず溜息…

 『叛逆の用心棒』 ■■□

監督:アンドレ・ド・トス邦題の通り『用心棒』(黒澤)を彷彿させるプロットの西部劇です。策を巡らすランドルフ・スコットはどうも違和感あるのですが、リー・マーヴィンやアルフォンソ・ベドヤといった個性派揃いの敵役が踊らされるのは愉快でしたね。『…

 『ゴダールの決別』 ■■■

監督:ジャン=リュック・ゴダールどうやら可視/不可視の存在としての神について省察した映画みたいなんですが、面白いくらいに意味不明でした(笑)。でもですねぇ映像の美しさは比類ないんですよ。何なんだコレは?と言いたくなるようなとてつもない強度をも…

 新たに増えた銀盤

『ジェット・パイロット』(北米盤。スタンバーグ&ハワード・ヒューズによる航空映画

この日は青梅市の御岳山へハイキング。ケーブルカー乗り場がある滝本駅から御岳神社まで登り、そこからロックガーデン・コースへ。起伏に富んだ地形で巨大な岩あり神秘的な滝あり長い沢ありと夏に行った高尾山の自然道よりも表情豊かな自然が楽しめ登り応え…

 『機動戦士ZガンダムII -恋人たち-』

立川シネマ・ツーにて。観客数は20人くらい。 監督:富野由悠季ネットの評判が散々だったので期待はしていませんでしたが、なかなかどうしてけっこう楽しめちゃいました。『星を継ぐ者』はスピード感溢れる展開と派手な戦闘シーンが魅力でしたが、今回は展開…

 『Blood of the Beasts』 ■■■

監督:ジョルジュ・フランジュ邦題『獣の血』。あやうく脳貧血を起こすところでした。いやぁ冗談抜きでベジタリアンになろうと思いましたね。凄まじい屠殺の記録。ベルトルッチも『豚の屠殺』という短編を撮っているそうですが、果たしてここまで凄いかどう…

 『Hometown Story』 ■■□

監督:アーサー・ピアソンもろキャプラしているわずか60分の人情話です。無名時代のマリリン・モンローがOL役でちょこっと顔を見せます。もちろんフェロモンむんむんなんですが、知的な雰囲気を持ったキャラ造形になっているのが新鮮でしたね。物語の転機と…

 『対決の一瞬』 ■■■□

監督:アラン・ドワン低予算映画ですが、西部劇とは思えないケバケバしいまでに豪奢な色彩設計が素晴らしいです。RKOと言うとフィルムノワールのイメージが強いだけに、こんな鮮やかなテクニカラー西部劇があったというのはちょっと驚きでした。モーリン・オ…

 『成功の甘き香り』 ■■■□

監督:アレクサンダー・マッケンドリック冷徹で辛辣な人間観察が冴える大都会の小さな陰謀劇。ほぼ全編が夜というフィルムノワール。"策士、策に溺れる"男達のドラマ。話は抜群に面白いし、トニー・カーティスとバート・ランカスターの悪人ぶりは完璧、エル…

 『ひまわり』 ■■□

監督:ヴィットリオ・デ・シーカこれはもうヘンリー・マンシーニの一人勝ちでしょう(笑)。これがあの『自転車泥棒』の監督かと思いたくなるような通俗的な演出に戸惑い、これがあの『若者のすべて』や『白夜』を撮ったジュゼッペ・ロトゥンノかと思いたくな…

 『ハイデイ』 ■■■

監督:アラン・ドワン1937年製作の「アルプスの少女ハイジ」。簡潔な物語構成、ドワンの鮮やかな演出、シャーリー・テンプルのキュートな魅力、ハリウッド黄金期の余裕を感じさせるわずか85分の見事な小品です。セット美術も良くてとりわけ書き割り背景の美…

この日は体育館で4時間バスケ三昧。足が攣る。腰が痛い。

 新たに増えた銀盤

『スターウォーズ エピソードⅢ シスの復讐』

 『北西への道』 ■■■■

監督:キング・ヴィダー行軍映画の大傑作ですね。あまりの素晴らしさにビックリしました。沼、山、河、丘という「映画映えする地形」を序盤はボートによって中盤以降は足によってひたすら兵士が進んでいく、その単純明快な運動が生み出す映像のダイナミズム…

 『パーフェクト・ワールド』 ■■■

監督:クリント・イーストウッド擬似親子的な関係を描いたロードムービーでその意味では『センチメンタル・アドベンチャー』のセルフ・リメイクとも言えるのですが、ケネディ暗殺直前のテキサスという時代設定や、暗く深刻なテーマを内包した苦い余韻が残る…

 新たに増えた銀盤

『ハイデイ』(北米盤。アラン・ドワン&シャーリー・テンプル。ヨハンナ・スピリ原作のアレです)『対決の一瞬』(北米盤。アラン・ドワンの西部劇。これ観たかったんです!)『Marilyn Monroe: Hometown Story/Hollywood Remembers Marilyn』(北米盤。モ…

 『ダラスの熱い日』 ■■■

監督:デヴィッド・ミラーケネディ暗殺を犯行側の視点から描いているのが面白い。大胆にしてリアル、無駄のない簡潔な脚本はさすがダルトン・トランボといったところか。ロバート・ライアンが渋い。まさに枯淡な味わい。

 新たに増えた銀盤

『最前線』(仏盤。アンソニー・マンの戦争映画)『西部の人』(仏盤。アンソニー・マンの西部劇)『顔のない眼』(クライテリオン盤)『麦秋』(クライテリオン盤)『雨月物語』(クライテリオン盤)『道』 (クライテリオン盤)

 『果てなき船路』 ■■■■

監督:ジョン・フォード『怒りの葡萄』と同じ年に撮られた海洋ドラマ。これは本当にフォードの作品なのかといぶかしみたくなるような陰湿な物語に困惑させられます。いわゆるアイルランドものでもあるのですが、豪快で明るくて色彩鮮やかな『静かなる男』と…

 『怒りの葡萄』 ■■■■□

監督:ジョン・フォードアントニオーニ?アンゲロプロス?と思わず眼をこすりたくなるような冒頭のロングショットでたちまち作品世界に引き込まれてしまいました。貧農家族の苦難の道行を描いたロードムービー。非常に硬質なプロレタリア・リアリズム映画で…

 『よろめき休暇』 ■■□

監督:スタンリー・ドーネンハリウッドならではの室内群像艶笑喜劇ですが面白さは今ひとつと言った感じ。本作のケイリー・グラントは突然シリアスになったり人を殴ったりといつもの全編を通じて貫かれる洗練された軽妙さが希薄で、新鮮ではあるもののどこか…

 新たに増えた銀盤

すべてFOXのスタジオ・クラシック・シリーズ。『成功の甘き香り』『荒野の決闘』『怒りの葡萄』『よろめき休暇』

 『ミリオンダラー・ベイビー』 ■■■■

監督:クリント・イーストウッド観終わって劇場へ観に行かなかったことを激しく後悔しました。何という峻厳で愛しみに満ちた殺人劇。いまアメリカ、いや世界でこれほど充実した画面造形と演出を見せてくれる映画作家が果たして何人いるでしょうか。視線の在…

 『都市の夏』 ■■□

御茶ノ水のアテネ・フランセ文化センターにて。満席。年配の方もチラホラ。監督:ヴィム・ヴェンダース学校内にある上映施設なのでスクリーンは小さめです。さて本編。いや〜凄い。よくぞこれだけ退屈な映画を撮ったもんだ(笑)。でもハリウッド映画的な物語…

 『キートンのマイホーム』 ■■■■

監督:バスター・キートン&エドワード・F・クライン家全体を笑いの装置として活用し尽くすキートンの予測不能で過激な身体アクションの素晴らしさ。そのハチャメチャに笑顔で付き合うシビル・シーリーもキュート。なぜか入浴シーンまである(カメラを手で…

 『鬼火』 ■■□

監督:ルイ・マル陰鬱で繊細、哲学的で厭世的な良くも悪くもフランスらしいフランス映画。とことんシリアスなのかと思いきや、中盤あたりで録音マンやキャメラ台を押すスタッフがショーウインドウに思いっきり映っているシーンが立て続けに出てくるのは、さ…